大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和23年(オ)122号 判決 1949年1月11日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

本件上告理由は添附の別紙記載のとおりであつて、これに対する判断は次のとおりである。

第二点について。

選挙管理委員会は、その会議について、会議録を作らなければならない旨の法令の規定はないから、大原村選挙管理委員会が会議録を作らなかつたことが違法であるとはいえない。又、会議録がないからといつて、会議を開かなかつたと断定することもできない。同委員会において昭和二二年五月一一日上告人の当選を無効とすることに決定したこと、及び同月三〇日委員会を開き委員長幸野文道の外委員石森久治郎を除く全委員出席して同日附委員長名義の弁明書を作成したことは、原審が証拠によつて認定したところであつて、上告論旨は右の委員会において決定のなかつたこと或は委員会が法定の定足数を缺いで開かれたことを主張するのであつて、結局原審の専権に属する事実の認定を非難するに過ぎないから適法の上告理由ということはできない。(その他の判決理由は省略する。)

よつて民事訴訟法第四百一条、第九十五条及び第八十九条を適用して主文のとおり判決する。

以上は裁判官全員の一致した意見である。

(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例